福岡大学英語学科ブログ

卒業生の声(8):松尾アツコさん、松原サトミさん

毛利史生 2012年 9月10日  カテゴリー: 卒業生

こんにちは。だいぶ涼しくなりましたね。

本日は、卒業して頑張っている二人から写真を頂きましたので、皆さんにも紹介します。二人は、以前にもこのブログで紹介しましたので、二度目の登場です。仕事を終えて二人が待ち合わせした場所は、とある大名(厳密には赤坂かな?)の居酒屋です。何年たっても学生時代の話には花が咲くようですね。二人とも私のゼミに所属していましたので、個人的にも思い出がたくさんある二人です。特に卒論提出直前は、膝を突き合わせて真剣に語り合ったものでした。そんな二人の卒論をここで紹介していきます。

松尾さん(左)は、語彙概念構造という意味論の枠組みを用いて、英語と日本語の所有構文を取り上げました。きっかけは、I have some money on me.(私にはお金が少しあります)のon meが何だろう、という素朴な疑問からです。表層上ではその言語間の違いを説明することができませんが、語彙概念レヴェルまで話を掘り下げていくと、両者の違いが見えてくるというわけです。また、haveを「持っている」という固定した辞書的意味にとらわれていると、簡単な「私には兄弟がいます」「ジュースありますか」といった英作文ができない学習者がいることが調査でわかりました。また、ゼミ内の別の学生と協力し、中学教科書で用いられているhaveの例文を拾い上げ、どのような訳が充てられる例文が用いられているか綿密に調査しました。すると、教科書によって、例文の傾向が異なっていることも判明しました。面白いですね。

一方、松原さんは形式意味論の枠組みを用い、日英語の「ロバ文」と呼ばれる構文を取り上げて卒論研究に従事しました。修士論文でも取り上げていいくらい難解な分野でしたが、うまくまとめてくれたと思います。日英語のwh語およびwh構文の振る舞いの違いから出発し、最終的には「ロバ文」という特殊な構文に論を展開していきました。英語のwh疑問文は、wh語を節の頭に置くことが義務的ですが、そのような義務性は日本語にはありません。表層上は異なる両者ですが、論理的なレヴェルに話を掘り下げていくと、多くの類似点が見えてきます。最終的には、ロバ文の分析においてEタイプ分析からの仮説を提示しました。

言語体系が大きく異なる日本語と英語ですが、その背景のメカニズムを学ぶと、両言語に共通の現象がたくさん見えてきます。理論を通して、日本語らしさを学ぶことによって、英語の言語体系がよりクリアーに見えてきます。言語学の研究はやっぱり面白いですね。言語学以外にも、英語学科には、様々な研究テーマを下に、毎年ゼミ(演習)が開講されています。いずれこのブログでも、色んなゼミの「ゼミ潜入記」をお届けしますね。


アイドルも顔負け!?